私が10年程前、父母の葬儀を執り行っていた頃、諸先輩の方から「喪中の1年間は、鳥居をくぐってはいけない」とよく聞かされました。

赤い鳥居、奥に拝殿が見える
しかし、諸先輩の話には勘違いと比喩表現があり誤解を与えます。正しくは「忌中の50日間は、神社参拝してはいけない」という意味で話していたわけですが…

なんと、私自身が本当に氏神様の鳥居をくぐってしまった直後、「喪中」に気がつきました。「喪中」でしたが「忌明け後」だったので、躊躇なく参拝しましたよ(笑)。

喪中期間・忌中期間・忌明け後の関連図
どうやら、記事タイトル「喪中に鳥居をくぐってしまったらどうするの?」の答えが分かりかけてきたようで、ポイントは「喪中」ではなく「忌中」と「忌明け後」。50日間の「忌中」は神社参拝できませんが、約10ヶ月間の「忌明け後」はくぐることも参拝もOKです。

ということで、「忌明け後」に鳥居をくぐってしまった、その後どうするかは…鳥居のくぐり方も含め、手水の方法・理由や社頭参拝の仕方・注意点を中心にお伝えしましょう。

また「忌中」に鳥居をくぐっても、神社参拝はできません。どうしても忌明けまで待てない方のために、お寺参拝をご紹介します。

喪中に鳥居をくぐってしまったら、どうするの?

喪中に鳥居をくぐってしまったら、ダメ?それともOK? ではどうしたらいいのでしょうか。

イントロで結論の大半を言ってしまいましたが、改めまして、結論は二者択一です。

  • 忌明け後ならOK。忌明け後は、参拝を続けてください
  • 忌中期間ならNG。お寺へ参拝するか、忌明け後再び参拝

まず前者は…忌明け後で死の穢れがなくなっていましたので、参拝できます。続きは第2章をご覧ください。

一方後者は…忌中期間(50日間)に、神社の神様が嫌う死の穢れを持ち込んだわけですから、できるだけ早く鳥居の外へ出てそのまま自宅に帰りましょう。忌明け後になってから、お詫びを兼ねてお参りに行けば結構です。

どうしても忌中期間に参拝したいという方は、お寺へ参拝するという手もありますよ。詳しくは第3章をご覧ください。

喪中でも忌明け後なら、参拝を続ける

では鳥居をくぐったので神社参拝を続けましょう、と言いたいところですが、じつは鳥居をくぐるときから参拝は始まっています。一旦場面を、鳥居のくぐるところまで巻き戻しましょう。

【巻き戻し場面】鳥居をくぐるときから参拝は始まっている

  • 神社参拝は、鳥居をくぐるときから始まっています。

神社参拝には様々な作法がありますが、神聖な世界に入るためには、鳥居のくぐり方の作法を守ることが大切なんですね。鳥居をくぐったら空気が変わるのを感じるかもしれませんよ。

■鳥居のくぐり方と参拝の体感

まず鳥居をくぐる前に、真正面より少し左か右に立ち、脱帽した上で一礼して神様の領域に入ります。すると、空気が一変する感じがして、まるで「鳥居をくぐる=参拝している」と言いたい気持ちになるでしょう。

参拝している気持ちは、あの諸先輩方の「喪中の1年間は、鳥居をくぐってはいけない」のお話にも繋がるのでしょうね。

鳥居のくぐり方を詳しく知りたい方はコチラ!
→ 神社の鳥居のくぐり方!くぐる前の礼、喪中時の作法はくぐらない?

気持ちよく鳥居をくぐってしまった直後、「喪中」に気がついたのですね。幸い、書き出しで触れた私が喪中に鳥居をくぐった際は忌明け後だったので、問題なく参拝を続けることができたわけですね。

鳥居をくぐったら手水舎で穢れを祓う

参道を歩いていくと、通常は参道の脇や拝殿手前などに手水舎があります。そのわけは、神様は穢れがお嫌いですから、参拝する前に手水舎の水で穢れを祓い清めておくためです。

忌明け後は死の穢れが消えているはずなのに、なぜ手水舎で穢れを祓うのでしょうか?」…きっと多くの方が疑問に思う事でしょう。その疑問に応えますね…

■忌明け後も手水舎で穢れを祓う理由

日常生活の穢れ(心身が不浄で元気がない状態)を祓い清めるため
忌明け後には、死の穢れ(穢れの中で最大のもので、生命力が衰えた状態)は消えていますが、日常生活の穢れがとりついているので、手水舎の水で祓い清めるというわけです。

神社の手水の作法を詳しく知りたい方はコチラ!
→ 神社の手水の作法!手洗いと口をすすぐ意味とやり方は?

社頭参拝なら拝殿前で静かに参拝

社頭参拝は一般参拝とも呼ばれ、拝殿の前でお賽銭を入れてから、二拝二拍手一拝(伊勢神宮等は別の方法)で拝礼する一般的な参拝を言います。

では喪中(忌明け後)の参拝で、特に気をつけることや注目することはこの2つです…

  • 初詣の時期と服装
  • 参拝時に鳴らす鈴

■初詣の時期と服装

忌明け後も、身を慎み静かに過ごす時期ですので、初詣は三が日を過ぎたころ静かにお参りに行くことをオススメします。また華やかな晴れ着はさけた方が無難でしょう。

■参拝時に鳴らす鈴

拝殿の正面、賽銭箱真上の鈴の音ですがとても清々しい音色ですね。鈴の音は参拝者の日常の穢れを祓い清め、神霊の発動を願うものと言われていますので、神様に聞こえるよう大きめに鳴らしてくださいね。
→  神社本庁 参拝の際に鳴らす鈴について

なお、拝殿での位置ですが、正面に立つことは控えて、少し端の位置からお参りした方がよいかもしれませんね。

お寺参拝なら忌中でも大丈夫

  • 忌中(お寺では49日間)でもお寺への参拝は大丈夫OKです。

忌中の間、神社参拝できません。仏教では死を穢れとして捉えていないため、お寺への参拝は大丈夫です。

忌中であっても、お寺の場合は本堂への参拝のほかに、お初参り(お宮参り)・厄払いなども行ってよいとされています。

ただ忌明けまで待てない方っていますよね。受験生は受験日、初詣は正月(三が日)のように期限や期日が限られているため、忌中と重なったら神社参拝は無理です。

そんなときお寺なら、忌中でも参拝はできます。2つご紹介しますね。

■受験生
受験日は勝手に変更できません。もし受験日の45日前に不幸があったら、忌中の最中に合格祈願に行けるでしょうか。

神社はダメですが、お寺なら参拝できます。受験の前にお近くのお寺で参拝しましょう。

■初詣
毎年三が日、神社やお寺に初詣に行っている方はとても多いです。この私もその一人です。

その中で、忌中でも初詣に行きたいって方もきっといるでしょう。大丈夫です。忌中でも喪中でもお寺なら三が日の参拝はOKです。

まとめ

喪中に鳥居をくぐってしまったら、どうするの?

結論は二者択一でしたね。

・忌明け後ならOK。忌明け後は、参拝を続けてください
・忌中ならNG。お寺へ参拝するか、忌明け後再び参拝


これだけ見れば、シンプルに見えますが、表現するのも理解していただくのもちょっと大変だったかなと思います。最後にそのあたりをまとめてみます。

「喪中」の意味が曖昧なため、「忌中」と「忌明け後」に分けてスッキリさせましたがどうでしょう。

「鳥居をくぐる」には2つの意味がありますが、正しい意味で届いたでしょうか。

①.文字通りの意味で、「鳥居をくぐる」
②.比喩的表現で「鳥居をくぐる」=「神社参拝(する)」として使用しました。。