神社の入口に建っている鳥居は、人間の世界と境内との境界を示します。
いわゆる俗界から神聖な世界に足を踏み入れるわけですから、鳥居のくぐり方には作法を守ることが大切なんですね。
作法は多岐にわたります。一つでも知っておくと後できっと役に立つでしょう。
では神社の鳥居のくぐり方。礼や足の出し方?、喪中の人は鳥居をくぐらないの?、帰りも礼するの?、鳥居がたくさんある時の作法などをご一緒に見ていきましょう!
目次
神社の鳥居のくぐり方
通常、神社の入口には鳥居が建っています。その鳥居は人間の世界と神さまの世界との境界を示すものです。
神聖な存在である鳥居。くぐり方の作法を3つに分けてご紹介します。
- 鳥居の前に着いて、礼や足の出し方はどうするのか。
- 身内に不幸があった場合、鳥居をくぐらないのか。
- 参拝の帰りも鳥居に礼をするのか。
鳥居のくぐり方の作法を理解されてから参道へ向かってくださいね。
くぐる直前の礼や足の出し方
鳥居に近づいてきたら、後方の人が歩いてくるか確認しながら、鳥居の前でゆっくり立ち止まりお辞儀する場所を確保しましょう。
参道や鳥居の真ん中は、正中(せいちゅう)と言われ神様の通り道ですので、写真のように鳥居の真正面を避け、少し左右に移動します。
鳥居の手前に来たら、帽子を取って一礼します。礼はそれほど難しくはありませんね。
最初の礼儀を尽くしたら、鳥居をくぐるわけですが、足の出し方がちょっとややこしい。
中央(正中)から遠い足で鳥居をくぐります。右側通行は右足から、左側通行は左足から。チョットややこしい!
その訳は、正中の先に鎮座されている神様にお尻を向けないのが作法なんです。この話は宮司さんに教えていただきました。
柚子猫。さんも中央から遠い方の足を出すとツイートしてますね。
鳥居くぐるときってお礼→
— 柚子猫。 (@citroncat216) December 25, 2019
左端を通る時は左足から
右端を通る時から右足から
中央に神様がいるから遠い方の足を出すとのこと。
テレビ見ながらメモメモ✏️
※なお参道の歩き方は、コチラが参考になります。ご確認くださいね。
⇒ 神社の参道の歩き方は?真ん中は神様が通るから左か右がよい
喪中時の作法ではくぐらないの?
「喪中の人は鳥居をくぐらない!」って聞いたことありませんか。
実は私も、氏神様の氏子総代をやる前まではそう思っていましたが、コレは間違った作法です。喪中と忌中を取り違えている人がとても多いのですよね。
つまり…
・誤 喪中の人は鳥居をくぐらない
・正 忌中の人は鳥居をくぐらない
神道では、家族が亡くなって忌中(きちゅう)だから、鳥居をくぐってはいけないのです!
鳥居をくぐってはいけないのは忌中
では何故、忌中の人は鳥居をくぐってはいけないのでしょう。
忌中の期間は、地域に慣例がある場合はそれに従い、慣例がない場合は、神道では50日(仏教では四十九日)です。
50日間は、外出を控えるなど日常の諸行事において、身を慎んでけがれを避ける期間です。
※喪中とは、1年間(実質、忌中の期間を除くので10か月あまり)かけて、少しずつ日常生活に戻ってい期間。
たとえば忌中の間、控えたほうがよいのは…
・お友達との飲み会
・神棚への参拝(白い紙で封印します)
・神社への参拝
喪中や忌中に、神社参拝してしまい今になって気にしている方は、こちらが参考になります。
→ 喪中に神社参拝してしまったけど大丈夫?理由と3つの対処法を紹介
一般的に忌中が終わる頃になると、四十九日法要(または五十日祭)をして忌明け(きあけ)となります。忌明けしたら神棚の白紙をはがし、晴れて神社の鳥居をくぐって参拝してください!
忌中はまず、神参りは駄目ですね。
— ゆい🐶私用垢リムりブロ解中 (@yuipotena0403) 2020年1月11日
仏教で49日、神道では50日が忌中です。
この間に初詣はだめですし、えびす詣でも避けるべきです。
忌中が済んだらお浄めの意味で鳥居をくぐるべきという考えがあります。
結婚式などの慶事は喪中には避けることになりますね。
なお、仏教ではお寺への参拝はOKです。喪中であろうが、忌中であろうがお寺参りをしてかまいません。混乱しないでくだいね。
帰りも礼するの?
多くの人が鳥居から境内に入るときは一礼しますが、帰りはお辞儀しなくてもいいって言う人がたまにいますよね~
そんなことはありません。帰りも、入るときのように一礼したほうがいいですね。
入るときは心のなかで、「こんにちは、よろしくお願いいたします。」と言いましょう。
帰りは鳥居をくぐり終えたところで、拝殿に向かって一礼しましょう。
心のなかで、「本日は、ありがとうございました。」と言えば、神様もたいそうお喜びになります。
鳥居がたくさんある意味とくぐり方
鳥居の数は、神社によってマチマチです。
一般的な神社は1基だけですが、明治神宮や伊勢神宮など大きな神社においては2基以上建っているのもめずらしくないです。
たとえば熱田神宮には、境界に南門・東門・西門の3基があり、境内にも2基あります。熱田神宮は、境内が広いため入口がたくさんあるってことでしょうか。
そうなんです。そももそ鳥居は人間界との境界を示すので、神社の入口には必ず鳥居を立ています。
では熱田神宮の南門・東門・西門のどこから入るか?正解は正門です。つまり南門がおすすめ!
通常一般家庭を訪問する際、お勝手口ではなく、玄関(正門)から入りますよね。神社も同じ理由です。
つぎに大きな神社には、長い参道の途中にも複数の鳥居があります。その鳥居をくぐく抜ける毎に神聖さが更に高まってきます。すべての鳥居の前で一礼してください。
そして、最終の鳥居をくぐり抜けると、通常神前の手前に手水舎がありますので心身を清めましょう。
⇒ 神社の手水の作法!手洗いと口をすすぐ意味とやり方は?
準備はいいですね。では、最も神聖な神前に進んで、心を込めてお参りいたしましょう。