当たり前ですが、会社や役所に「勤める」人は、従業員や職員です。個人事業主や役員ではありません。

ですから「勤める」とは、文字通りビジネスシーンでよく使われる言葉なのです。

広い意味でのサラリーマンにとっての「勤める」の意味と使い方をできるだけ詳しく解説します。

また、ビジネス上とても大切な敬語や英語表現などを用例も交えながら解説します。


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「勤める」の意味

「勤める(つとめる)」には意味が2つあります。

①(職場で)仕事に従事する。勤務する。
②仏につかえる。勤行(ごんぎょう)する。


まず、「勤める」の意味として、主に使用されるのは①です。

会社や官庁などに採用され、広義のサラリーマン(勤め人)として仕事に従事することを意味します。例えば、「地元の会社に勤める」のように使われますが、勤め人ではない会社役員や自営業者には「勤める」は使えません。

ご覧の通り「勤める」と同じ意味の言葉に「勤務(する)」があります。また「勤務」を含む「勤務時間」「勤務先」「勤務体制」「超過勤務」などの熟語も広く定着しています。もし「会社につとめる」の漢字が出てこない時、「勤務」=「勤める」または「勤務」を含んだ熟語を思い出すことで、「勤める」と書くことができるでしょう。

一方、2つ目の「仏につかえる」という意味の「勤める」人は、住職さんだけでなく、我々一般人も含まれます。筆者自身も仏壇の前で日々お線香をあげるので、「毎日朝夕に勤める」のように表現します。

ご覧のように1つ目の「勤める」には、勤め人として日々の仕事に従事する意味がありますが、原義から転化した意味は「勤」の語源で理解することができます。

「勤」の語源

漢語の「勤」は、「菫」+「力」で構成されています。

「菫」は尽きる、わずか、の意。「菫」+「力」で「勤」とは、「力を尽くして励む」という原義から、「こまめに働く」「精を尽くして一緒懸命に働く」という意味を表すだけでなく、「勤務」「勤労」などの漢語としても用いられていたのですね。

つまり「勤」の意味は、冒頭で説明した「勤める」①の意味「仕事に従事する」や「勤務する」と同じですね。

「勤める」の使い方と例文

「勤務する」という意味の「勤める」は、「~に勤める」のように使う自動詞です。「~」は対象の場所、さらに格助詞の「に」を付加して、場所が病院なら「病院に勤める」という文章が出来上がります。

・妹は、看護師として大学病院に勤めています。
・今の会社に勤めて、早いもので丸10年になります。

また「仏につかえる」という意味の「勤める」は、「本堂で勤める」「法要を勤める」のように使います。前者が自動詞、後者が他動詞です。

まず前者は、「~で勤める」のように使う自動詞。「~」は対象の場所、格助詞の「で」を付加して、場所が仏壇の前なら「仏壇の前で勤める」となります。

・私は毎朝、仏壇の前で正座してお勤めします。

一方後者は、他動詞で「~を勤める」のように使います。「~」には目的語、さらに格助詞の「を」を付加して、法事なら「法事を勤める」となります。

・住職さんが、四十九日の法事をお勤めになります。


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「勤める」の敬語と英語表現

「勤める」の敬語表現

「勤める」は、文字通りビジネスに関する言葉ですので、敬語表現にも注意する必要があります。

丁寧語・・・聞き手に対して、丁寧に言うことで敬意を表す敬語表現です。
尊敬語・・・聞き手に対して、上位のものとして待遇する気持ちを表す敬語表現です。
謙譲語・・・自分または自分の側にあるものに対して、卑下して表現することにより相対的に相手を立てる敬語表現です。

「勤める」の丁寧語

  • 「勤める」の丁寧語・・・「勤めます」

敬語表現は、語末に「です」「ます」などの助動詞を付けるだけです。この場合は「ます」を付けて「勤めます」となります。

例えば「退職後は、医療関係の会社に勤めます」のような表し方をします。

「勤める」の尊敬語

  • 「勤める」の尊敬語・・・「お勤めになる」

敬語表現は、「れる」「られる」「給う」「お~になる」など。この場合は「お~になる」を用い、末尾に丁寧語の「ます」をつけて「お勤めになります」という尊敬語ができます。

例えば「法事をお勤めになります」のような表し方をします。

「勤める」の謙譲語

「勤める」の謙譲語は、2種類存在します。

  • 「勤める」の謙譲語Ⅰ・・・「勤めておる」
  • 「勤める」の謙譲語Ⅱ・・・「勤めさせていただく」

まず謙譲語Ⅰは、「勤める」に補助動詞「いる」の謙譲語「おる」を付加し、末尾に丁寧語の「ます」をつけて「勤めております」となります。

例えば、「今の会社には15年あまり勤めております」のような用い方をします。

一方謙譲語Ⅱは、相手に許可を得ている場合に使用する謙譲表現です。

「勤める」に「させてもらう」の謙譲表現「させていただく」をつけ、さらに末尾に「ます」をつけ「勤めさせていただきます」となります

例えば、会社の採用試験を受けた際、「採用の場合は、精一杯勤めさせていただきます」のような用い方をします。

「勤める」の英語表現

「勤める」を英語に翻訳するには「work」を使います。

「work for 」・・勤務先や有名企業に対して使います。
「work in 」・・業界や大きな職場の内部に対して使います。

私の父は出版社に勤めている。  My father works for a publishing company.
彼はトヨタ自動車に勤めている。 He works for Toyota Motor Corporation.
彼は金融業界に勤めている。   He works in the financial industry.
私は医師として病院に勤めている。I work in a hospital as a doctor.

「勤める」と「務める」の使い分け

「勤める」と「務める」は下記のように意味が似ているため、使い分けが難しいです。

・「勤める」:仕事に従事する。勤務する。
・「務める」:任務を果たす。


現在新聞業界で一般的に採用している使い分け方がお勧めです。「つとめ」が「勤務」なら「勤める」、「任務」なら「務める」として区別する方法です。

例えば、「私の娘は、銀行につとめ(勤め)ています。4月から窓口係をつとめ(務め)ることになりました。」、この例文を使い分けましょう。

まず、「私の娘は、銀行につとめ(勤め)ています。」では、私の娘のつとめが「勤務」の意味に当るため「勤めて」を使います。

一方、「4月から窓口係をつとめ(務め)ることになりました。」は、私の娘のつとめが「任務」の意味に当るため「務める」と使い分けます。

なお「務める」の詳しい意味をお知りになりたい方は下記をご覧ください。
⇒ 「務める」の意味と使い方!敬語や英語表現も例文で解説

まとめ

ビジネスシーンでよく使われる「勤める」の意味と使い方を詳しく解説しました。

また「仏につかえる」という意味の「勤める」は、「本堂で勤める」「法要を勤める」のように使います。前者が自動詞、後者が他動詞です。

また、敬語や英語表現などを用例も交えながらご紹介しました。






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