「知見」は「チケン」と読みます。日常会話ではあまり聞くことはありません。主に企業・官公庁・各種団体において使われています。

例えばある企業において、経営を左右させる大問題が発生し、会社を再建するために「経営の経験と知見を有する人物を取締役として迎えた。」などと用います。

「知見」には意味が複数存在します。上記の例文での「知見」は、重みのある意味が使われていることが分かります。第1章で解説しましょう。

ではこれから「知見」とは何か?意味を中心に使い方も含め、用例・文例を交えながら分かり易く解説します。


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「知見」とは

「知見」の意味

国語辞典による「知見」の意味から見ていきます。

「知見(チケン)」:
①知ることと見ること。また、見て知識を得ること。
②知識。見識。
③〔仏〕悟り。真実の知恵。

(引用元:旺文社国語辞典)


「知見」には意味が3つ存在します。

「知見」の意味①

「知見」の1つ目の意味は、「知ることと見ること。また、見て知識を得ること。」です。

「知見」の「知」は、文字通り「知る」「知ること」の意味を持ち、「見」は「見る」の意味を持ちます。

つまり二字熟語「知見」には、「知ることと見ること」「見ることで知識を得ること」という意味合いがあることが分かります。

また「知見」は、おおかた「知ることと実際に見る体験をすること」と「見る体験を通じて知識を得ること」といったニュアンスで用いられます。

その用例として、「知見を広める」「知見を深める」などという言い回しがよく使われます。

文例として「彼は旅をして、専門分野の知見を広めたいと思っています。」という発言には、「彼は旅をして、専門分野に関する見る体験から得た知識をもっと広めたいと思っている。」というニュアンスが込められています。

「知見」の意味②

「知見」には、「知識。見識。」という2つ目の意味があります。

「知見」の「知」は、「知ること(=知識)」「物事の本質を正しく理解すること(=見識)」の意味を持ち、「見」にも「見識」の意味があります。

ご覧のように、二字熟語「知見」には「知識や見識」という意味合いがあることがよく分かります。

この「知見」は、多くの場合「知見が深い」のような言い回しを用いることにより、「知識や見識が深い」といったニュアンスで用いられます。

文例として、冒頭の「経営の経験と知見を有する人物を取締役として迎えました。」という代表取締役の発表は、「新取締役には、経営の経験と知識・見識を有し、物事の本質を見通す確かな考え方の持ち主である人物を選任した。」というニュアンスが込められています。

「知見」の意味③

「知見」には第3の意味「悟り。真実の知恵」があります。もちろん仏教用語です。

元々は「智見」と書いていましたが、「智」が常用外漢字のため、公用やビジネスなどでは「知見」が使われています。

ただ住職さんとの文書によるやり取りでは、「知見」と「智見」のどちらを使っても問題ありません。

「知見」の文法と使い方

「知見」は名詞ですので、名詞的用法で「知見を~」「知見が~」のように用いられます。

まず「知見を~」の用法は、「知見」を目的語とし、「を」と他動詞「深める」「広げる」などを伴い、「知見を深める」「知見を広げる」のように用います。

一方「知見が~」の用法は、「知見」を主語とし、「が」と自動詞「広がる」または形容詞「深い」を伴い、「知見が広がる」「知見が深い」にように用います。

ほかの名詞的用法で、名詞の「知見」にサ変動詞「する」が付いて「知見する」という複合語のサ変動詞になります。ただ使われる頻度は名詞としての用法より稀といえます。

「知見」の使い方(例文)は第3章をご覧ください。


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「知見」の類義語

「知見」と類語「知識」の関係

「知見」も「知識」も、「知っていること」では同じですが、明確な違いがあります。

「知見」とは、一般的に実際に見るという体験により得た「知識」を言います。

一方「知識」とは、見ることで得た「知識」を含め、本や人から聞いた話など「知っていること」の全てが「知識」となります。

つまり両者の違い(関係)は、「知見」⊂「知識」。「知見」は「知識」の一部として含まれます。

なお、「知見」には「見て得た知識」のほかに、「知識」そのものの意味も存在します。つまり、文脈により「知見」の意味が変わりますので、「知見」と「知識」は同義語となる場合もありえます。

「知見」と類語「見聞」の違い

「知見」も「見聞」も「物を見たり聞いたりすること」「得るものに絞ると、知識(や経験)」でほぼ同じですが、「知見」には「知識」のほかに見識・悟りの意味も含まれます。

見識・悟りは、物事の本質を見極める事柄ですから、「見聞」より「知見」の方が奥深い言葉ということが分かります。

なお「見聞」の音読みは、一般的には「けんぶん」ですが、「けんもん」(「もん」は呉音)という音読みもありますが、誤解を防ぐため「けんぶん」を使うことをお勧めします。

※「見聞」の意味などを紹介した別記事もありますので、合わせてご覧ください。
→ 「見聞」とは?意味を中心に使い方や類語を詳しく解説

「知見」の使い方(例文)

「知見」は、主に名詞として「知見を深める」「知見を広げる」「知見が広がる」「知見が深い」のように用いられます。また「知見する」というサ変動詞として用いる方法もあります。

「知見を深める/広げる」

「知見」を名詞(目的語)として用います。意味解説もご覧ください。

・もっと専門分野の知見を深めたい。
<自分の専門分野に限定した上で、知見を奥深くまで徹底的に追求していきたい。>
・国内旅行もいいが、世界を旅してもっと知見を広げたい。
<国内旅行だけでなく世界を旅して、さらに様々な分野や事柄において知見を広げたい。>

「知見が広がる/深い」

「知見」を名詞(主語)として用います。

・出張で日本中を旅して知見が広がった。
・現場主義の彼は職場のだれよりも知見が深い

「知見する」

サ変動詞「知見する」の使用は稀ですが1例だけご紹介します。

・未体験の物は、現地に行って知見することでよく分かるものだ。

まとめ

「知見」の意味は、「知ることと見ること」「見て知識を得ること」。ほかにも「知識。見識」「悟り。真実の知恵」などの意味もあります。

一般的には、旅行・留学・出張先など現地において実際に物を見るという体験をして、知識を得ます。

さらに「知見が深い人」や「知見が広がった人」になると、説明するにも説得力が増していくようですね。






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