「把握」は、日常会話でも使いますが、ビジネスシーンでよく使う言葉です。

「実権を把握する」「文章を把握する」のように使われます。

実は「把握」には意味が2つ存在しますが、前者と後者で意味が違うのが分かりますか。

では「把握」とは何か?意味を中心に、類語(理解・認識)、使い方(特に敬語表現)などを解説します。


スポンサードリンク



「把握」とは

「把握」の意味

国語辞典による「把握」の意味からご覧ください。

「把握(ハアク)」:
①手で握ること。しっかりつかむこと。
②よく理解すること。

(引用元:大辞林)


「把握」には意味が2つ存在します。

「把握」の意味①

「把握」の1つ目の意味は、「手で握ること。しっかりつかむこと。」です。

「把握」の「把」は、「にぎる」「しっかりにぎる」の意味を持ち、「握」は「にぎる」「手のひらの中におさめて自分の物にする」という意味があります。

つまり二字熟語「把握」には、「しっかりつかむ」や「自分の手中におさめること」という意味合いがあることが分かります。

また、多くの場合「把握」は「しっかりつかみ、手中におさめて自分の物にすること」というニュアンスで用いられます。

その用例として「実権を把握する」「人心を把握する」などという言い回しが、「把握」のニュアンスを分かりやすく表現しています。

文例として「当社の代表取締役は社長と専務です。実は実権を把握しているのは専務です。」という発言には、「代表取締役は社長と専務ですが、経営の実権をしっかり手中におさめ自らの物にしているのは、ちょっと驚きですが社長ではなく専務なのです。」というニュアンスが込められています。

「把握」の意味②

「把握」には、前節の意味「しっかりつかむこと」から派生した「よく(しっかり)理解すること」という2つ目の意味があります。こちらの「把握」は、主にビジネスシーンで使用されています。

その「よく理解すること」は、おおかた「高度の内容の文章や複雑な情勢・状況などを、正確に理解すること」といったニュアンスで「把握」が用いられます。

その用例として「文章の要旨を把握する」「状況を把握する」などという言い回しが挙げられます。

文例として「報告書を書くなら、文章の要旨を把握してください」という上司の助言には、「要旨は作成者が最も伝えたいポイントですから、まず要旨をしっかり把握することが大切です」というニュアンスが込められています。

「把握」の文法と使い方

「把握」は、名詞または動詞として使われます。

名詞として、「把握を~」「把握が~」のように使われます。

また「把握」+「する」で「把握する」というサ変動詞となり、「~を把握する」のように用いられます。


スポンサードリンク



「把握」の類語

「把握」の類語「理解」「認識」との違いを通じて、「把握」の意味を深めていきます。

「把握」と類語「理解」の違い

「把握」と「理解」の意味は、それぞれ複数存在しますが、比較するための意味は下記の通りです。

「把握」の意味は、「よく理解すること」。「理解」の意味は、「物事のしくみや状況などが分かること」。

どちらも分かることで共通ですが、違いは2つ。
・1つ目の違い:「把握」は「よく(=全て)理解すること」。「理解」は単に「分かるだけ」。
・2つ目の違い:「把握」や「理解」する内容。「把握」は、文章の意味・要旨、複雑な情勢・状況等だけで限定的。「理解」は、物事の道理・筋道・意味などで、「理解」の方が広範囲と言えます。

※「理解」の意味などを紹介した別記事もありますので、合わせてご覧ください。
→ 「理解」とは?意味を中心に類語や使い方を詳しく解説

「把握」と類語「認識」の違い

「把握」の意味は、「物事の状況などをよく理解すること」。「認識」は「物事を見分け、本質や意義を正しく理解すること」で、どちらも正しく理解することでは同じです。

両者の違いは、理解する内容です。

「認識」は、物事の本質や意義、その物の核心部分を正しく理解します。「政権交代しそうなので、各党の間でそれ(政権交代の本質・意義)の認識が高まってきた」のように用いられます。

「把握」は、物事の状況や文章の内容などを正しく理解します。「認識」より具体的な内容になります。「消防局は被災地の状況を詳細に把握した」のように用いられます。

※「認識」の意味などを紹介した別記事もありますので、合わせてご覧ください。
→ 「認識」とは?意味を中心に類語や使い方を詳しく解説

「把握」の使い方と例文

「把握」の主な使い方は2種類です。

・「把握」を名詞として用いる方法
・「把握する」というサ変動詞として用いる方法

「把握(名詞)」

名詞である「把握」は、「把握を深める」「把握が甘い」のような言い回しで使われます。

・彼は報告書を作成するとき、まず要旨の把握を深めてから取り掛かる人です。
・彼はこの事態を招いた当事者としての把握が甘いので周りが困っています。

「把握する」の敬語表現

「状況を把握する」を敬語表現に書き換えて見ていきます。

◆自分自身が「把握する」場合の敬語表現
・状況を把握します  【正しい丁寧語表現】
・状況を把握いたします【正しい謙譲語表現】

◆上司が部下に対して「把握」を命令する場合の敬語表現
・状況を把握してください【正しい丁寧語表現】

◆部下が上司に対して「把握」をお願いする場合の敬語表現
・状況を把握してください 【不正な丁寧語表現】
・状況の把握お願いします 【不正な丁寧語表現】
・状況をご理解くださいますようお願い申し上げます【正しい謙譲語表現】

まとめ

「把握」とは何か。意味を中心に使い方や類語などを解説してきました。

「把握」の2つの意味を間違わないよう使い分けてくださいね。
①手で握ること。しっかりつかむこと。「実権を把握する」
②よく理解すること。「文章を把握する」






おすすめ・関連コンテンツ