「ご愁傷様です」は、主に話し言葉で使用されているお悔やみの言葉です。

手紙など書き言葉では使用されてこなかった訳ですが、近年メールでの使用が増えてきました。

確かにメールは便利なツールですが、本当に「ご愁傷様です」はメールしていいのでしょうか?

そこで、メールして良いのか良くないのかだけでなく、使い方や文例、メールマナーなども徹底解説します。詳しく見ていきましょう。


「ご愁傷様です」の意味

「ご愁傷様です」の「愁傷」は、「嘆き悲しむ」という意味があります。

また「愁傷」に敬意表現の「ご~様」が付いた「ご愁傷様」の意味は、「遺族の心痛を気の毒に思うこと」。しかし4文字熟語「ご愁傷様」として使われることは稀です。

一般的には「ご愁傷様です」という表現で用いられ、意味はお悔やみの言葉。主に話し言葉として使われています。


「ご愁傷様です」はメールしていいの?

主に話し言葉として使われている「ご愁傷様です」ですが、本当にメールしてもいいのでしょうか?

結論から言うと...

  • 「ご愁傷様です」は、メールしても問題ないです。

メールは、ビジネスシーンにおいては主に書き言葉が使われ、一方日常会話の中で親しい友達宛てのメールなどで、話し言葉が使われています。

このように普段からメールでやり取りしている親しい間柄であれば、慌ただしい通夜や葬儀の最中であっても、合間にメール確認や送信ができるので、「ご愁傷様です」とメールしてもいいでしょう。

メールするには一つ条件があります。送信する相手を下記のように選んでから送信しましょう。送信すべきでない相手に送信したら取り返しのつかないことになります。

送信する相手

・普段からメールでやり取りしている間柄であること。ただ昔からの礼儀作法にこだわっている方は避けた方がよいでしょう。

・会社の上司や先輩であっても、親しい間柄であれば送信して問題ありません。ただし目上の方には敬語表現を使うようにしましょう。

・取引先の場合は社内ルールがあればそれで判断しますが、無ければ上司に相談のうえ判断するのが無難です。


なお、「ご愁傷様です」をメールで送ることにまだ躊躇している方は、「お悔やみ申し上げます」に言い換えるのも一つの方法です。

「ご愁傷様です」のメール文例

送信する相手として問題ないことが確認できたところで、「ご愁傷様です」などのお悔やみメールの文例を見ていきましょう。

遺族の辛い気持ちを察した上で、失礼にならないよう気持ちを込めてメール送信したいものです。

上司に対する文例

上司へのお悔やみメールは、最上級の敬語表現にします。「ご愁傷様です」も丁寧語ですが、より丁寧な「ご愁傷様でございます」を使いましょう。

この度はご愁傷様でございます。突然のことで大変驚いております。

本来であれば直接お悔やみを伝えるべきところですが、略儀ながらメールでご連絡させていただきます。

仕事のことで何かしておくことがあれば、お手伝いしますのでご連絡お願いいたします。

なお、返信のお気遣いは不要でございます。


「ご愁傷様です」は話し言葉で使うものだから、メールでは使えないという人もいます。気心の知れない上司には「ご愁傷様です」を避けて「お悔やみ申し上げます」の方が無難かもしれません。

また上司の父親はご尊父様、母親はご母堂様のように敬語表現に言い換えましょう。

ご尊父様のご逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます。

会社の方は、全員で協力し業務に支障がないよう努めております。心ゆくまでお別れのお時間をお過ごしください。

私にお手伝いできることがございましたら、何なりとお申し付けください。

なお、返信は不要でございます。

同僚に対する文例

弔事とはいえ数日間会社を休んでしまい、申し訳なく思う社員もいます。特に繁忙期などには心配無用の一言を添えるのもマナーです。

この度はご愁傷様です。突然のことで大変驚いております。

会社の方はこちらでフォローしますので、仕事のことは気にせず落ち着くまでゆっくりとお過ごしください。

何かお手伝いできることがあれば、遠慮なく連絡してください。なお、返信は不要です。


この度はご愁傷様です。つらい時にご連絡ありがとうございました。

略儀ではありますがメールにてお悔やみ申し上げます。

会社の方は心配無用ですので、心ゆくまでお別れのお時間をお過ごしください。

何かあればいつでも連絡してください。

友達に対する文例

親しい友達であっても、お悔やみの第一声は「この度はご愁傷様です」のようにきちんとした敬語でお悔みの言葉を伝えましょう。

この度はご愁傷様です。辛い時に知らせてくれてありがとう。

まだお悔やみにも伺えず、本当に申し訳なく思っています。

無理をされていないか心配しています。私にできることがあれば、遠慮なく連絡してください。

体調には十分気をつけてくださいね。


友達がキリスト教徒だと知っている場合の文例です。「ご愁傷様です」ではなく、「○○さんの安らかなお眠りをお祈りいたします」などと伝えましょう。

このたびは逝去の報に接し、ただただ驚いています。

無理をされていないか心配です。

何か私にできることがあったら、いつでも連絡しくださいね。

○○さんの安らかなお眠りをお祈りいたします。

「ご愁傷様です」のメールマナー

メールで「ご愁傷様です」を伝える際には守るべきマナーがたくさんあります。

◆メッセージは、短く簡潔な表現で
慌ただしい日々を過ごしている遺族は、メールを読む時間がなかなか取れません。合間をみつけてメールを読むわけですから、文章は短く簡潔な表現を用いると喜ばれます。

◆遺族の実父は「ご尊父様」、実母は「ご母堂様」
他人の実父や実母の敬称を、「尊父」「母堂」と呼びます。「尊父」に敬意表現の「ご~様」が付いて「ご尊父様」、「母堂」に「ご~様」が付いて「ご母堂様」と言います。

遺族の実父は「ご尊父様」、実母は「ご母堂様」のように最上級の敬語表現に言い換えましょう。

◆上司へのお悔やみメールは、より上位の敬語表現で
「ご愁傷様です」は丁寧語ですが、上司に対してはより丁寧な「ご愁傷様でございます」を使いましょう。

◆重ね言葉や忌み言葉は避けましょう
「重ね重ね」や「ゆくゆく」などの重ね言葉や「忙しい」「死亡」などの忌み言葉は避けましょう。

◆キリスト教では「ご愁傷様です」は使いません
キリスト教では、人の死を終焉と考えません。「ご愁傷様です」ではなく、「○○様の安らかなお眠りをお祈りいたします」などと伝えましょう。

◆メールの返信を求めることは絶対にしない
「ご愁傷様です」とお悔みの言葉を伝えるのは結構なことですが、返信を求めることは厳禁です。

葬儀など一連の儀式で慌ただしい遺族に、さらにプレッシャーを与えることはやめましょう。

まとめ

お悔みの言葉「ご愁傷様です」は本当にメールしていいのか、メールの使い方や文例、メールマナーなどを見てきました。

確かに「ご愁傷様です」などのお悔やみメールは、送る人にとっても受ける人にとっても便利なツールです。

だからこそ、遺族の方の辛い気持ちを察した上で、敬語の使い方などマナーに反しないように使いたいですね。

※「ご愁傷様です」の意味や使い方などを確認したい方は下記をご覧ください。
⇒ 「ご愁傷様です」の意味とは?正しい使い方とともに徹底解説






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