このブログを開設したのが2015年ですから、早いもので9年目を迎えました。
長い間支えていただきありがとうございます。感謝してもしきれません。
そこで、前回と今回投稿した記事のテーマが「感謝」ですが、シリーズ化してしばらくの間投稿し続けたいと思います。
・今回の第2弾は・・・「感謝してもしきれません」です。
ところで「感謝してもしきれません」と伝える相手の多くが目上の方ですから、謙譲語を使って敬意の度合いを上げたいですね~。
しかし「感謝してもいたしきれません」では意味を理解してもらえません! この表現では目上の方に使えませんね(涙)。目上への利用には要注意!
そこで、特に目上が理解しやすく、敬意レベルの高い敬意表現を3つご紹介しましょう。
目次
「感謝してもしきれません」の意味を解説
意味はこの上なく深い感謝
「感謝してもしきれません」の意味は・・・
- 「いくら感謝しても、感謝し尽くせない程、深く感謝しています」
一言で言うと、「この上なく深く感謝しています」を意味する表現です。
「感謝してもしきれません」の表現は、「感謝しても感謝し切れません」の省略形で、「感謝し切れません」の意味は「感謝し尽くせません」。
従って「感謝しても感謝し切れません」とは、「何度感謝しても、(全てを)感謝し尽くせない程、深く感謝しています」という程に「この上なく深く感謝しています」という意味があるのですね。
なお「感謝してもしきれない」の意味を、詳しく知りたい方はコチラをご覧ください!
→ 「感謝してもしきれない」の意味は深い!受けた恩に報いるため使おう
敬語は丁寧語
「感謝してもしきれません」は「感謝してもしきれない」の丁寧語表現です。
友達や同僚など親しい間柄に対して、丁寧語表現を使うか使わないかは、親密度や年齢で判断することになります。詳しい使い方は、第3章をご覧ください。
一方、上司やお客様相手となると、謙譲語などにより敬意を表すのが一般的です。詳しい使い方は、次章をご覧くださいね。
目上への「感謝してもしきれません」の使い方は要注意
「感謝してもしきれません」の使い方として、目上と目下とは分けて考えた方が良さそうですね。この章では、目上への使い方を見ていきますが、目上に要注意とは何でしょう?
目上へは難解ではなく理解しやすい敬意表現で
実際「感謝してもしきれません」を使う相手は、ほとんどが目上の方ですので、敬意のレベルを上げて謙譲語を使いたいですね~。
- 目上の方への謙譲語表現は・・・「感謝してもいたしきれません」です!?
しかし「感謝してもいたしきれません」と言われても、回りくどい言い方で意味も難解です。これでは目上の方には使えません(涙)。目上への利用にはご注意くださいね!
そこで特に目上の人に、理解しやすい敬意レベルの高い敬意表現を3つ、おすすめ順にご紹介します。
・「感謝してもしきれません」を使用
・「感謝してもしきれない」を使用
・「感謝してもしきれません」の類語を使用
単体文前後に、深い感謝を表す句や文を追加し、文章全体の敬意を高める
部下が、定年退職する部長に感謝の気持ちを伝えます。長年大変お世話になった部長には、入社以来何かとご指導いただきました。
ですから「感謝してもしきれません(丁寧語)」の表現で、部長への感謝の気持ちを伝えようと思いましたが、少し敬意不足のようでした。
そこで例文のように「感謝してもしきれません」の直前のフレーズでは、感謝の理由説明により丁寧さがアップ。直後に追加された文「心から御礼申し上げます」は、敬意レベル最上級の感謝の言葉です。
「部長には長い間お世話になり、感謝してもしきれません。心から御礼申し上げます」
ご覧のように例文全体としては、かなり強い敬意表現となり、大切な存在である部長にも深い敬意と謝意が伝わることでしょう。
なお「心から御礼申し上げます」は、「心から」+感謝の気持ちを表す「御礼」+謙譲語の「申し上げ」+丁寧語の「ます」で、深い感謝の気持ちが表現されています。
謙譲語表現「感謝してもしきれないと存じます」で敬意を高める
できれば「感謝してもしきれない」の表現は残したい。
そこで、「感謝してもしきれない」の後に「と思います(丁寧語)」を付加することで、「感謝してもしきれない」の意味を受け継ぎながら、丁寧な表現が出来上がります。
ただ「感謝してもしきれないと思います(丁寧語)」は目上には敬意不足ですので、後半を「思う」の謙譲語II(丁重語)「存ずる」と丁寧語の「ます」に言い換えることで敬意が高まります。
「感謝してもしきれないと存じます」
例文は主にビジネスシーンで使用されますが、本当に特別な時だけ使うようにしましょう。普段から頻繁に使うと相手に違和感や不自然さを感じさせますので、ご注意ください。
ここまで、目上に対するおすすめの敬意表現を2つご紹介しました。共に「感謝してもしきれない(ません)」による紹介でした。
類語を、丁重な表現に言い換えて、敬意を高める
ここでは、類語を使って目上に対するおすすめの敬意表現をご紹介します。
まず、「感謝してもしきれません」の代わりに類語「感謝の気持ちでいっぱいです(です:丁寧語)」に言い換えます。
例文のように、目上に対して「課長のアドバイスとご指導に、感謝の気持ちでいっぱいでございます(でございます:丁寧語)」などと、敬意のレベルを上げて言い換えるのがおすすめです。
※注1:丁寧語の「ございます」は、2007年文化庁文化審議会「敬語の指針」によると、謙譲語IIと同程度に丁重な表現と扱われています。
「課長のアドバイスとご指導に、感謝の気持ちでいっぱいでございます」
なお「感謝の気持ちでいっぱいです」の「いっぱい」に、違和感を感じたり、幼稚な印象を受けたり、失礼では!と思う方がいるかもしれませんね。
でも大丈夫!「感謝の気持ちでいっぱいです」は慣用句的に使われている言い回しです。気にせずこのままお使いください。
友達への「感謝してもしきれません」の使い方は親密度等で判断
友達や部下に対しては、「感謝してもしきれない」を使っても結構ですが、立場や親密度などによっては「感謝してもしきれません」を使った方がいい場合があります。
例文は、突然の入院にも関わらず仕事の大部分を引き受けてもらったのですから、心から丁寧に感謝の気持ちを伝えましょう。
なお「本当に」は強調を示し、「ありがとうございました」は感謝の気持ちを表す言葉です。
「感謝してもしきれません」を類語表現に言い換え
深い感謝の言葉「感謝してもしきれません」には、類語表現がたくさんありますが、4つご紹介します。
下段に説明したように、意味はほとんど同じです。
・感謝の気持ちでいっぱいです
ありがたいという気持ちで心が満たされています
※詳しくはコチラ
→ 「感謝の気持ちでいっぱいです」をビジネスで使おう!敬語にご注目
・感謝の言葉しかありません
この上なく有難い気持ちだけで、感謝の言葉しか出てきません
・感謝の極みです
この上なく感謝しています
・心より感謝しています
心底から深く感謝しています
まとめ
本文を書き終わって感じたことは、敬語の使い方がけっこう難しかったのでは思いましたが、いかがでしたか。
特に、目上に対して「感謝してもしきれません」を使う時は、表現の選び方だけでなく敬語の選び方にも注意しないといけません。
目上に対しては、敬意のレベルを上げて、高い敬意表現(謙譲語表現や丁寧語の丁重な表現等)として伝えるってところがミソでしょうか。
おすすめ順に3つご紹介しましたので、ご参考になさってください。
- 「感謝してもしきれません」を使用
- 「感謝してもしきれない」を使用
- 「感謝してもしきれません」の類語を使用
「感謝してもしきれません」の「きれません」に「切れません」の漢字を当てているのがこのサイトだけ(とりあえず検索一ページ目では)だったのですがこの用法は正しいのでしょうか?
個人的にはこういう使い方は見たことがなくて、平仮名が正しいのでは?と思ってそれを確認するために検索していたのですが、平仮名の部分もあって混乱しています。
野良猫さん、お問い合わせありがとうございます。
「感謝してもしきれません」の表現は、「感謝しても感謝し切れません」の省略形です。「きれません」ではなく、あえて「切れません」にしたのは、意味を明瞭にしたかったためです。
その「切る」の意味は、「し尽す」「物事を最後までやる」です。