ビジネスシーンでは、「感謝」は極めて重要です。

なぜなら、支援や励ましをいただいた際に、感謝の気持ちを表し続けていると、社内外の相手との信頼関係が築かれて、ビジネス成功への道が開けるからです。

というわけで、IT企業の経営者だった私は、これまで「ありがとうございます」などの感謝の言葉を頻繁に使ってきました。

そこで「感謝」シリーズ・今回4作目の記事は、感謝の言葉「感謝の気持ちでいっぱいです」をビジネスで使おう!敬語にご注目、としました。

「感謝の気持ちでいっぱい・です」の最後に丁寧語が使用されていますが、相手先別に敬語を用いて3通りに使い分けることが、ビジネスでは大切!詳細は本文で・・・

では「感謝の気持ちでいっぱいです」をビジネスシーンで使いましょう!相手先と敬語に注目して使い分けてくださいね。

「感謝の気持ちでいっぱいです」の意味

まず、意味の確認からいきましょう。

「感謝の気持ちでいっぱいです」の意味は・・・

  • 「ありがたいという気持ちで心が満たされている」

この表現は、相手がしてくれた親切や好意に対して、大変ありがたく感じ、深い感謝の気持ちで心が十分に満たされている状態の時に表す言葉です。

「感謝の気持ちでいっぱいです」をビジネス相手別に使う方法・敬語にも注目

「感謝の気持ちでいっぱいです」をビジネス相手先別に使う方法をご紹介します。

「感謝の気持ちでいっぱいです」は丁寧語表現。注目してほしいのは、相手先と最後尾の敬語!相手先別に敬語部分を変化させ、3通りに使い分けるとスッキリします。

・直属の上司:「感謝の気持ちでいっぱいです」を使用
・社長・客先:「感謝の気持ちでいっぱいでございます」を使用
・部下・同僚:「感謝の気持ちでいっぱいだ(よ)」を使用

直属の上司には、そのまま丁寧語表現を使用

日頃、親密な関係にある直属の上司には、堅苦しい言い方ではなく、普段使う丁寧語表現で感謝の気持ちを伝えるのがよいでしょう。

  • 「感謝の気持ちでいっぱいです」

上司に感謝する男性社員

社長やお客様には、丁重表現を使用

目上でも、お客様や社長・取締役のように特別な存在の方に相応しいのは、丁寧語の丁重な表現※注1)でしょう。丁重に感謝の気持ちをお伝えしましょう。


  • 「感謝の気持ちでいっぱいでございます」

この表現には「いっぱい」という促音が含まれていますが、軽い印象や幼稚な印象を与えることが考えられます。

そこで、否定的な印象を薄める意味でも、お客様や社長に対しては丁重表現の「感謝の気持ちでいっぱいでございます」を使うとよいでしょう。

※注1:丁寧語の「(で)ございます」は、2007年文化庁文化審議会「敬語の指針」によると、謙譲語IIと同程度に丁重な表現と扱われています。

部下や同僚には、普通形(か丁寧語表現)を使用

親しい部下や同僚には、丁寧語を使わないで、普段通りの話し方の方が気持ちが通じることが多いです。

  • 「感謝の気持ちでいっぱいだ(よ)」

「感謝の気持ちでいっぱいです」のビジネス相手先別メール例文

前章で「感謝の気持ちでいっぱいです」を3種類の相手先に使い分ける方法を紹介しました。

そこで実際に表現する際のポイントは、相手の好意や支援したことを具体的に述べてから、「感謝の気持ちでいっぱいです」などと伝えると効果的に感じられます。

ではメールで使用される例文を見ていきましょう。

■直属の上司には、そのまま丁寧語表現を使用
「課長のアドバイスが問題解決の手掛かりとなりました。感謝の気持ちでいっぱいです。」

■社長やお客様には、丁重表現を使用
「困難な局面で助け船を出していただき、感謝の気持ちでいっぱいでございます。ありがとうございました。」

■同僚や部下には、丁寧語を使わず普通形を使用
「同期の君は3時間も残業して、ぼくの仕事を手伝ってくれました。もう感謝の気持ちでいっぱいだよ。本当にありがとう!」

「感謝の気持ちでいっぱいです」をビジネスで使う際の注意点

ビジネスシーンで「感謝の気持ちでいっぱいです」を使う際の注意点は、いくつかあります。

1.この表現を使用する際に、前後に具体的な理由を添えて感謝の気持ちを表すことで、相手に感謝の深さが伝わります。

2.この表現には、深い感謝の意味があります。頻繁に使用すると相手は違和感を感じるので、適切なタイミングで使用した方が良いでしょう。

3.感謝の言葉だけでなく、必要に応じてプレゼントを贈るなど行動を通じて感謝の気持ちを示すことも大切です。

「感謝の気持ちでいっぱいです」を敬語で言い換え

第2章で、敬語によるビジネス相手別の使い分け方を3通りご紹介しましたが、敬語での言い換え方法は、敬語の敬意度(レベル)にご注目!

言い換える方法ですが、丁寧語の「感謝の気持ちでいっぱいです」を、下記のように敬意度の違いにより、普通形と丁寧語の丁重表現の2通りの表現に言い換え可能です。

また敬意レベルは、普通形・丁寧語・丁寧語の丁重表現の順に高くなります。

なお、丁寧語の「感謝の気持ちでいっぱいです」は既に存在しているため、言い換えは不要となります。

・普通形・・・「感謝の気持ちでいっぱいだ(よ)」(「だ」は、断定の助動詞、「よ」は確認の終助詞)
・丁寧語・・・「感謝の気持ちでいっぱいです」(「です」は、助動詞「だ」の丁寧語)
・丁寧語の丁重表現・「感謝の気持ちでいっぱいでございます」(「でございます」は、助動詞「だ」の丁寧語の丁重表現 ※注1)

※もっと詳しくはコチラ
→ 「感謝の気持ちでいっぱいです」を言い換えよう!要は敬語と類語

「感謝の気持ちでいっぱいです」を類語表現に言い換え

丁寧語表現の「感謝の気持ちでいっぱいです」を、類語表現(丁寧語表現)に言い換えます。

感謝がつく類語表現

■感謝がつく類語表現例

・感謝しかないです
※詳しくはコチラ
→ 「感謝しかない」に違和感を感じる?使うのか言い換えるのか要判断
・感謝しかありません
※詳しくはコチラ
→ 「感謝しかありません」はビジネスで使える?違和感あるので要注意
・感謝の言葉しかありません
・感謝の言葉もありません
・感謝してもしきれません

※詳しくはコチラ
→ 「感謝してもしきれません」の使い方!特に目上への利用には要注意
・心より感謝します
・深く感謝しています

感謝以外の類語表現

■感謝以外の類語表現例

・心よりお礼します
・ありがたい気持ちでいっぱいです

「感謝の気持ちでいっぱいです」を英語で言い換え

「感謝の気持ちでいっぱいです」は英語で何と言うのでしょう。翻訳を2つご紹介します。

I am filled with gratitude.
I am full of gratitude.

なお、be filled with~、be full of~はともに、~でいっぱいの意味があります。

まとめ

冒頭に書きましたが、「感謝の気持ちでいっぱいです」をビジネス相手先別に使い分ける方法、分かったでしょうか?

ビジネスシーンでは敬語部分を変化させ、相手先別に3通りに使い分けるとスッキリします。

・直属の上司:「感謝の気持ちでいっぱいです」を使用
・社長・客先:「感謝の気持ちでいっぱいでございます」を使用
・部下・同僚:「感謝の気持ちでいっぱいだ」を使用

また、「感謝の気持ちでいっぱいです」の言い換え表現には、敬語・類語のほかに英語も紹介しましたのでご覧ください。