「感謝の気持ちでいっぱいです」は慣用句的な表現です。
このように、「感謝」がつく慣用句的表現の類語を、いくつ言い換えできますか?
・「感謝してもしきれません」
・「感謝の言葉もありません」
・「感謝の言葉しかありません」など
他にも類語はいくつかありますが、今回の記事は「感謝の気持ちでいっぱいです」を言い換えよう!・・・を取り上げます
理由は、意味が分かり易く、誰にでも使い易い表現だから。
では「感謝の気持ちでいっぱいです」を言い換えましょう!
要となる敬語と類語に重点を置きながら、敬語はできるだけ詳しく、類語は一覧で一気にご紹介します!
最後に、時制や英語にもふれますよ。
目次
「感謝の気持ちでいっぱいです」の意味を確認
まず意味から見ていきましょう。
「感謝の気持ちでいっぱいです」の意味は・・・
- 「相手の好意が有難く感じられ、心が満たされている」
これは、相手の親切や好意に対して、有難さと深い感謝の気持ちで心が満たされている状態を表す言葉です。
「感謝の気持ちでいっぱいです」を敬語で言い換え
言い換えの要は敬語と類語ですので、まず敬語の言い換えから始めていきましょう。
丁寧語の「感謝の気持ちでいっぱいです」を、下記のように敬意レベルの違いにより、3通りの表現に言い換えます。
なお敬意レベルは、普通形・丁寧語・丁寧語の丁重表現の順に高くなります。
・普通形・・・「感謝の気持ちでいっぱいだ(よ)」(「だ」は、断定の助動詞)
・丁寧語・・・「感謝の気持ちでいっぱいです」(「です」は、助動詞「だ」の丁寧語)
・丁寧語の丁重表現・「感謝の気持ちでいっぱいでございます」(「でございます」は、助動詞「だ」の連用形+補助動詞「ございます」で、丁寧語の丁重表現 ※注1)
※注1:丁寧語の「(で)ございます」は、2007年文化庁文化審議会「敬語の指針」によると、謙譲語IIと同程度に丁重な表現と扱われています。
直属の上司には、敬意レベルはそのまま言い換え不要
目上でも、親密な関係にある直属の上司には、堅苦しい言い方ではなく、感謝の気持ちを素直に伝えたいですよね。
敬意レベルはそのままで、言い換え不要ですので、丁寧語で感謝を表しましょう。
- 「感謝の気持ちでいっぱいです」
直属の上司でも、厳格な方でそれほど親密ではない場合には、丁寧語の丁重表現の方がいいかもしれません。次節をご覧になってくださいね。
社長やお客様には、敬意レベルを上げる表現に言い換え
「感謝の気持ちでいっぱいです」の敬意レベルは丁寧語ですが、お客様や社長・取締役のように特別な存在の方には、敬意レベルを上げて、感謝の気持ちを伝えたいですよね。
敬意レベルの上げ方は、丁寧語の助動詞「です」を丁寧語の丁重表現「でございます」に言い換えるだけです。丁寧語の丁重表現で感謝を表しましょう。
- 「感謝の気持ちでいっぱいでございます」
部下には、敬意レベルを下げる表現に言い換え
親密な部下や友達には、敬意レベルを下げ、丁寧語を使わない方がかえって気持ちが通じることが多いようです。
敬意レベルの下げ方は、丁寧語の助動詞「です」を普通形・断定の「だ」に言い換えて、感謝を伝えます。
- 「感謝の気持ちでいっぱいだ(よ)」
なお「よ」は確認の終助詞です。「~だよ」と結合することで、断定の意味合いが多少薄まります。
※言い換えを含め、「感謝の気持ちでいっぱいです」をビジネスで使いたい方はコチラ
→ 「感謝の気持ちでいっぱいです」をビジネスで使おう!敬語にご注目
「感謝の気持ちでいっぱいです」を類語表現に言い換え
言い換えと言えば、類語。2つの方法により、類語表現に言い換えます。
1つ目は、丁寧語表現の「感謝の気持ちでいっぱいです」を類語表現に言い換えます。
2つ目は、1つ目より敬意レベルを高めた「感謝の気持ちでいっぱいでございます(丁寧語の丁重表現)」も類語表現に言い換えます。
丁寧語表現を類語表現に言い換え
丁寧語の「感謝の気持ちでいっぱいです」を、類語表現(敬意レベルは変化なし)に一気に言い換えます。
■丁寧語表現の類語表現
・感謝しかないです
※詳しくはコチラ
→ 「感謝しかない」に違和感を感じる?使うのか言い換えるのか要判断
・感謝しかありません
※詳しくはコチラ
→ 「感謝しかありません」はビジネスで使える?違和感あるので要注意
・感謝の言葉しかありません
・感謝の言葉もありません
・感謝してもしきれません
※詳しくはコチラ
→ 「感謝してもしきれません」の使い方!特に目上への利用には要注意
・心より感謝します
・深く感謝しています
・心よりお礼します
・ありがたい気持ちでいっぱいです
なお、「感謝」の文字が付く言い換え表現が多くある中に、「お礼」「ありがたい」のように「感謝」の付かない表現も見られます。
そもそも「お礼」や「ありがたい」にも「感謝」という意味が含まれています。全て「感謝」の表現ですから、当然ですが。。
丁寧語の丁重表現を類語表現に言い換え
丁寧語の丁重表現「感謝の気持ちでいっぱいでございます」は敬意レベルを高めた表現ですが、これを類語表現(敬意レベルは謙譲語または丁寧語の丁重表現)に言い換えします。
前節と比較してみると「感謝の言葉しかありません→感謝の言葉しかございません」のように、後者の敬意レベルが上がって、表現が格上げされているのがよく分かりますね。
■丁重・謙譲語表現の類語表現
・感謝の言葉しかございません
・感謝の言葉もございません
・心より感謝いたします
・深く感謝しております
・心より感謝申し上げます
・心よりお礼申し上げます
・厚く御礼申し上げます
・ありがたい気持ちでいっぱいでございます
なお、「~ございます(せん)」は、丁寧語の丁重表現です。「~いたします」・「~おります」・「~申し上げます」などは謙譲語表現です。
時制や英語の言い換え
過去時制に言い換え
日本語には2つの時制、非過去(現在)時制と過去時制があります。
例えば、「名詞+です」は現在時制、過去時制は「名詞+でした」となります。
そこで、現在時制の「感謝の気持ちでいっぱいです」を、過去時制に言い換えると「感謝の気持ちでいっぱいでした」となります。
英語に言い換え
「感謝の気持ちでいっぱいです」を英語に翻訳した内容を2件紹介します。
どちらも日本語の意味を英語でもそのまま感じ取っていただける翻訳になっています。
I am filled with gratitude.
I am full of gratitude.
なお、gratitudeは、感謝、感謝の気持ち。be filled with~、be full of~は共に、~でいっぱいの意味を持ちます。
まとめ
本文を書き終わって感じたことは、敬語での言い換えがけっこう難しかったのでは思いましたが、いかがでしたか。
普通形・丁寧語・丁寧語の丁重表現の順に高くなる敬意レベルを整理することが先決です。
続いて丁寧語の「感謝の気持ちでいっぱいです」を、敬意レベルの違いにより、3通りの表現に言い換えます。
・普通形・・・・・・「感謝の気持ちでいっぱいだ(よ)」
・丁寧語・・・・・・「感謝の気持ちでいっぱいです」
・丁寧語の丁重表現・「感謝の気持ちでいっぱいでございます」
類語表現での言い換えは、できるだけ多くの事例を載せましたので、じっくりご覧ください。