ビジネスシーンでは、「感謝」はとても大切です。良好な人間関係の向上や業績に影響を及ぼすからです。
ところで以前投稿した記事「感謝しかない」に違和感を感じる?を書きながら考えました。
「感謝しかありません」に違和感を感じる人が存在する現状において、果たして…「感謝しかありません」はビジネスで使える? のだろうか…と
いろいろ調べた結果、記事を書くことにしたわけです。
でも、「感謝しかありません」には違和感を感じさせることもありますので、気をつけてお使いくださいね。
では、ビジネスシーンにおける「感謝しかありません」の使い方について、違和感を防ぐための注意点や類語での言い換え方法をご紹介します。
目次
「感謝しかありません」の意味
「感謝しかありません」は丁寧語表現です。「感謝しかない」の意味からみていきましょう。
普通形「感謝しかない」の意味は・・・
- 「感謝の言葉しか見つからないほど、心中が感謝で満ち溢れている」です。
存在するのはこの上ない感謝だけで、心の中全てを感謝が占め、満ち溢れている状態を言います。
「しか~ない」の意味と用法
「感謝しかない(ありません)」の「しか~ない」には3つの意味があります。①と②は旧来からある意味。③は「感謝しかない」など新用法です。
①特定の事柄だけ取りあげ、それ以外を全否定する強調表現。他に方法がない。「やるなら今しかない」
②特定の事柄だけ取りあげ、数量や程度が軽薄短小少を強調する。「料理下手だからラーメンしか作れない」
③特定の非常に強い感情や感覚だけ取りあげ、その他を全否定する強調表現。「感謝しかない」
「感謝しかありません」に違和感を感じる?
「感謝しかありません」の言葉は、2010年代後半から使う人が増加してきました。
普段「やるなら今しかない」や「料理下手だからラーメンしか作れない」などと言われても違和感を感じませんが、「あなたには感謝しかありません」と言われたら、違和感を感じてしまうかもしれませんよね。
その理由は、「感謝しかありません」を伝えたとき、聞き手の中には話し手の意味と真逆に感じる人もいます。
もちろん話し手は、新用法③の「心の中が感謝の存在だけで満ち溢れている」という意味で、プラスイメージの感謝を伝えます。
ところが一部の聞き手が感じるのは、旧来用法の①と②「感謝以外を全否定された心の動き」や「少量で不足している感謝」で、マイナスの感謝がイメージされ、話し手とは真逆で曖昧な意味合いに感じるのです!
その聞き手は、マイナスイメージの感謝を受け取ることになり、違和感を感じることでしょう。
※「感謝しかない」に違和感を感じる方、詳細はコチラ!
→ 「感謝しかない」に違和感を感じる?使うのか言い換えるのか要判断
「感謝しかありません」をビジネスで使う際の注意点
ビジネスでは「感謝」は極めて大切です。それにより、良好な人間関係や仕事の質向上に役立つからです。
特に「感謝しかありません」は、ビジネス相手に誤解や違和感を与える可能性がありますので、使い方に注意が必要です。
そこで、ビジネスシーンにおいて「感謝しかありません」を使う際の注意点を3点取り上げました。
- どうしても使うなら文脈で
- 誠実な表現で伝える
- タイミングを考えて伝える
どうしても使うなら文脈で
感謝の気持ちを伝えるには、具体的な内容を文脈で表現することが良いとされています。
特に「感謝しかありません」は、誤解や違和感を与える可能性があるので、単体文ではなく下記のように具体的な内容を文脈で伝えることを強くおススメします。
そうすることで、感謝の気持ちが相手により深く響き、誠実な思いを受け取った相手との関係もより親密な信頼関係へとつながることでしょう。
・3年前のアドバイスが大きな助けとなりました。あの時のことは決して忘れません。今でも感謝しかありません。本当にありがとうございました。
誠実な表現で伝える
何かをやってもらって、当たり前ではありません。ビジネスでも支援やサポートしてくれた上司やお客様に対して、誠実に感謝の気持ちを表すことは当たり前のこと!
では心を込めて、感謝の気持ちを相手に伝えるにはどうしたら良いのでしょうか?
「感謝しかありません」は聞き手によっては違和感を与えることがあります。その可能性が少しでも和らげるために、下記の3点をおススメします。
・直前に「本当に」や「誠に」を付加して「本当に感謝しかありません」として、感謝でいっぱいの気持ちを強調する。
・「の言葉」や「の思い」を挿入し「感謝の言葉しかありません」のように、最高の感謝を表現する。
・「感謝しかございません」とより丁重に表現することで、違和感を和らげる。
タイミングを考えて伝える
感謝の言葉を伝えるには、タイミングも大切です。
基本的には、ビジネスの相手が好意や親切をしていただいたら、できるだけ早く感謝を伝えましょう。
ただ相手にも都合があるでしょうから、相手にとって適切な時間を選んで感謝の気持ちを表しましょう。
タイミングよくその時の気持ちを誠実に伝えることにより、相手とのつながりも深まり、さらに良好な関係に近づきます。
ビジネスでは違和感を防ぐため類語で言い換える
「感謝しかない」「感謝しかありません」「感謝しかございません」などの表現だけでは、聞き手に違和感を与えることがあります。
「感謝しかありません」の表現は使われ始めて数年しか経っていないため、用法として完全に定着されるまで時間がかかるでしょう。
それまでは、下記のような違和感のない分かり易い表現に言い換えて、感謝の気持ちを伝えましょう。
・感謝の言葉もありません
・感謝の気持ちでいっぱいです
※詳しくはコチラ
→ 「感謝の気持ちでいっぱいです」をビジネスで使おう!敬語にご注目
・大変感謝しています
・心から感謝しています
・感謝の念に堪えません
※「感謝しかない」を一挙に言い換えたい方、詳細はコチラ!
→ 「感謝しかない」を言い換えよう!類語表現を中心に一挙に大公開
まとめ
「感謝しかない」は聞き手に違和感を与えることがあるけれど、ビジネスでは使えるのでしょうか?
答えは、使えるでしたね。
ただ使い方には注意が必要でした。「感謝しかありません」を使う際の3つの注意点を忘れないで使用しましょう。
特にオススメは、1つ目の使うなら文脈で、でした。単体文ではなく具体的な内容を文脈で伝えることを強くおススメします!